親の持ち家がある財産管理について
2020/07/18

現状で管理ができていても、病気などでいずれ親が管理できなくなるという問題は多くの人が懸念している問題でしょう。
さらに財産をどう管理するかどうかではなく、介護施設の利用など将来のためにどれくらいの必要資金を用意しておくか、残しておくかも考えなければなりません。
また現金や預貯金だけでなく、大きな財産になりうる親の持ち家問題があります。

相続をどうするかはもちろん、持ち家の手続きを今後どうするかという問題も発生します。
相続するにしても、処分するにしても、本音では売りに出したくないと思っている人も少なくありません。

それでは親の持ち家がある財産管理にはどのような方法があるのでしょうか。

子供や親族が住む

もし親が亡くなった場合、親が住んでいた家を子供や親族が引き継ぐという方法です。
家をそのまま引き継ぎ家具や家電などをそのまま置いておけるので、処分に困る心配がありません。
また今まで慣れ親しんだ場所をそのまま残しておくことができるので、長く暮らした家の思い出をそのまま残しておくことができます。
ただし、家を相続する場合は相続人に対して相続税が発生するので注意しましょう。

賃貸に出す

不動産会社に相談して、賃貸契約にしてしまうという方法です。
賃貸にすることで住んでいた家を手放し、家のオーナーとして人に家を貸します。
人に家を貸すことも可能ですが、ハウスリースパックという方法でしたら自分の家を売却した後に、賃貸として住み続けることも可能です。

売却する

不動産会社に依頼しての売却手続きは、査定を依頼して評価額に納得した上で契約を結び、募集後に購入希望者が現れたら契約、決済引き渡しという流れです。
このように通常通りのステップで売却すると、査定をはじめ購入者が見つかるまでの期間など時間がかかり、手続きが大変です。
この方法は両親も売却に納得しており、売却後に住む家も用意しているなど事前の相談や準備がされていないと厳しい部分もあります。

税理士に相続税の減額を相談する

持ち家を手放したくない場合、そのまま相続する方法もあります。
この場合税理士に依頼して、相続税の控除を最大限に活かせるアドバイスを受けるのが良いでしょう。
条件次第では相続税評価額を8割控除できる小規模宅地等、特例などが適用できる可能性もあります。

しかし、高額な税理士費用の支払いは避けられません。
控除の適用を受けるための手続きに時間がかかることもあります。
さらに相続することになるので相続後に売却するにせよ、相続する全員が納得できる内容になるように考えなくてはいけません。
ただしこの方法は相続税の減額になるため、親が存命中に現金は戻ってきません。
あくまで、相続後の子の負担が減る方法です。
親の介護費用を用意した場合は適した方法とは言えないでしょう。

空き地のまま放置してはいけない

誰も住まなくなった家を空き地のまま放置していると、良いことはまずありません。
まず維持費がかかります。
固定資産税はもちろん、たまに手入れに帰るのであれば電気や水道も使えるように光熱費も必要です。
建物自体の修繕にもコストと手間がかかります。

さらに長く住まない家は、放火や不法侵入などの犯罪が行われる可能性が高くなります。
知らない間に何者かが侵入し、寝どころとして使われていたケースや放火されてしまった場合には自身の家だけでなく、近隣にも被害が出る可能性があります。
また建物の崩壊や害虫被害などで隣家や自治体から苦情が来ることも考えられます。
近隣トラブルのほか、放っておくだけで家の取り壊しが執り行われる可能性も出てきます。

ならば建物は壊して更地にしておこうと考えるかもしれませんが、そうすると固定資産税が跳ね上がります。
日本の土地税制では利用価値の高い更地には固定資産税の軽減措置を適用しておらず、建物が建っている土地よりかなり高い税金を払わなければならなくなります。

処分する際には

早めに親と話し合っておく

親が健在のうちに実家をどうするかについて、身内で話し合う機会を持つことをおすすめします。
親自身は誰か実家に住んでもらいたいのか、子供の中で親の意向をお互いにしっかり話し合いましょう。
話し合いの結果、場合によっては親が元気なうちに高齢者施設やコンパクトなマンションに移り住むという選択肢が出るかもしれません。

そこで特に注意が必要なのは、親が健在のうちに実家を売却するとなった際の親の健康状態です。
寝たきりや認知症になってしまった場合には、売却に関する契約がスムーズにできない可能性があります。

親の不安

元気なうちに住み替えをしたり、高齢者施設へ入所したりするのも合理的な選択かもしれませんが、親自身は大きな不安を抱く場合も大いにあります。

長年住み慣れた家や街から離れて、新しい環境で暮らすのは高齢者にとっては抵抗があるものです。
また長く暮らした家から引っ越すとなると、物を整理するだけで費用もかかりますし一苦労です。
高齢者にとって体力的、精神的に大きな負担であることは事実です。

相続問題の話し合いはもちろん重要なことですが、日ごろから親の様子を気にかけてコミュニケーションをとっていくこともとても大切です。

まとめ

もし親が亡くなった際に親の家をどうしていくかは、必ず考えなくてはいけない項目の一つです。
亡くなったことに目を向けることができずに、出来る限り考えないようにしがちですがいつかは向き合わなくてはならない問題です。
実家を引き継ぎ住む場合も売却する場合も相続が発生してから考え始めるのでは遅い場合もあります。
いざ相続が発生し、話し合いとなったら身内で大揉めしたという話は、残念ながらよく聞く話です。

まだ親が健在の状態で家をどうして行くかを悩まれている方は、今のうちに不動産について詳しい人に聞いておくことをおすすめします。

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