タワーマンションのメリット・デメリット
2022/01/24

駅前などの好立地に数多く存在するタワーマンションの外観からは、洗練されたステータスの高い生活を送っているように思えます。
しかしメリットも多いタワーマンションにもデメリットは存在し、100点満点の生活を送れていると言うとそうでもないようです。
タワーマンション市場はいま過渡期と言われており、今後の価格の推移は若干落ち着く傾向にあります。

とは言えこれは新築と中古マンションの高騰からニーズが他のものに移行しているだけなので、タワーマンションは、依然として潜在的人気があります。
新しいタワーマンションは、サービス面も充実しており、住んでいる人の満足度をなるべく上げるように努力しています。

ここではタワーマンションのメリット、デメリットについて紹介していきます。

タワーマンションが人気の理由

駅前エリアを中心に今も人気が高い

不動産バブルのように価格が他と比較しても、高すぎる状態は少し落ち着きつつあります。
注目は快速が停まるなどの駅に近いタワーマンションです。
特に駅から徒歩5分以内の物件は非常に人気があります。
多少割高になる傾向があり

ますが、売却する時の価格も値付くずれしにくく、好立地のタワーマンションは、その眺望と共に多くの人々の憧れです。

充実している周辺施設

駅を中心に大規模な再開発を同時に行っている場所が多く、周辺施設の充実もタワーマンションの人気を支えている要因です。
タワーマンションに住むと遠出をしなくなる人も多くおり、近くに出かけるだけで買い物の施設が近隣にあることから、特別な物でないかぎり購入できてしまうのが魅力です。
人口が集まる事でサービス面も充実していきます。
今後いろいろな面でより周

辺施設が発展し、生活がより良くなる可能性を秘めています。

公共施設の充実が売り

周辺施設と共に、公共の施設の充実も最近のタワーマンションの売りです。
ジム、ゲストルーム、プールなど住んでいる人の快適さをサポートする設備が多く併設されています。
また最近では保育園を併設しているなど子育ての対策を行っているタワーマンションもあり、公共施設の充実と住みやすさを実現しています。

タワーマンションのメリット

眺望が魅力

魅力の一つとして、リビングやベランダからの眺望が挙がります。
周辺を遮るものが無いので、遠くの山が見えたり、都市の夜景が一望できたりとその眺望は他のマンションとは大きく違います。
タワーマンションの間取りは極力眺望の良さを活かすように作られており、昼間の空と一体になっているような眺望も素晴らしいですが、夜はお酒などを飲みつつ、夜景の眺望と共に過ごす空間は他の住居では得られません。

高層階では虫がいない

5階、10階と上がるにつれ害虫がいない環境になり、害虫対策をしなくても夏は窓を開けはなしで過ごす事ができるなど、メリットが多いです。
低層階にはこのような恩恵はないですが、高くなればなるほど眺望とともに害虫も出ない点は非常に大きなメリットです。
鳥などに注意する必要がありますが、タワーマンションの場合高い階には飛んでくる鳥も少なく、開放的な生活を味わう事ができます。

セキュリティは万全

セキュリティ面では入り口や、エレベーターも専用のキーを使用し、防犯カメラも完備されている事など、かなり厳重にガードされているのがタワーマンションです。
普通のマンションのように屋上から空き巣に入る事も少ない事ので、セキュリティ面では大きなメリットがあります。
入り口も一か所に絞っており、区画にはそこを通らないと入れないなど工夫を凝らしてセキュリティ面を強化しているタワーマンションが多いです。

大規模なタワーマンションとなると、セキュリティはさらに充実しています。
1住戸当たりのコストを大きくかけなくても、防犯カメラや24時間のオンラインセキュリティシステム、訪問者が訪問先のフロアにしか行けないエレベーターの認証システムなど、厳重なセキュリティが導入しやすくなります。
さらにはICチップ付きのカードやスマホを使ったスマートキー、顔認証システムを導入するマンションも登場しています。

24時間ゴミ出しができる

大抵は一階や地下の部分にゴミを分別する共有スペースがついており、そこに24時間いつでもゴミ出しする事ができます。

忙しい社会人や共働き世代を中心にこのサービスは大きな人気があります。
時間を気にせずにゴミ出しができる事から、朝の忙しい時間にゴミ出しの心配をする必要がなく、非常にメリットが大きいです。

資産価値が高い物件

タワーマンションは立地にもよりますが、比較的中古でも高値で売る事ができます。
つまり資産価値が高い物件だと言う事です。
これは新築のタワーマンションが高値で推移している事が1つの要因です。
人気があり倍率も高い物件はすぐに買い手が見つかり、高値を付ける資産です。
持っているだけでも資産価値が高いですが、居住用だと引っ越しの際に税金も抑える事が出来るのも大きなメリットといえます。

住んでいることがステータス

タワーマンションに住んでいる事は1つのステータスです。
街が劇的に変わる再開発エリアに建てられることが多いのがタワーマンション。
ニュースで取り上げられたり、駅や街に大きな広告が出るなど、再開発のランドマークとして多くの人の注目を集めます。
つまり、そのエリアでは誰もが知っている「あのマンション」ということに。

またタワーマンションが単独で建てられる場合も、豪華な設備や外観が早くから話題になったりもします。
完成後も豪華なエントランスや高層階にあるラウンジからの眺望など、大規模なタワーマンションだからこそ得られるステータスがあります。
自分自身が暮らしを楽しめることはもちろん、ランドマーク性やステータス感は将来の売却時に大きなアドバンテージになるといえます。

心情面でこのようなリッチな生活を一度体感してしまうと、なかなか他の生活には戻れません。

タワーマンションのデメリット

エレベーターが混む

タワーマンションの立地上、特に朝はエレベーターが混雑します。
理由はそこに住む多くの人は同じような通勤手段を用いているケースが多いからです。
駅が近くのタワーマンションでは、乗る電車の時間帯付近に利用が集中します。

朝の集中する時間を避けて利用する事で、ストレスが解消されます。

地震の時に心配

地震の特に長周期地震動に弱いとされています。
免震装置や制振装置などが完備されていても大きな波の揺れは高層階を中心に、ふり幅の広い揺れとして現れます。
またタワーマンションそのものは杭がしっかりしており地盤改良工事を行っていて、地盤は比較的安心ですが、周囲の液状化現象などは防ぎようがありません。
東日本大震災でもマンションそのものは特に損壊を受けていませんが、周辺の上下水道がストップし、大きな生活の不便を受けた浦安市のような例を見てみると、埋め立ての湾岸地区に多くのタワーマンションが乱立している事に危惧を感じる人も多い事でしょう。

体調面に影響があることも

高層マンションに住んでいると、気圧の変化が原因で体調に影響が出ることもあります。
通常地上から10m高くなるごとに気圧は1hpa下がります。
これは高層マンションの50階(地上200m)であれば、気圧は20hpsも低くなる計算です。
気圧が10hps変化すると体調に変化が出るという研究結果もあるため、気圧の影響を受けやすい人は高層階に住むのは注意が必要でしょう。

洗濯物が外に干せない

風が強い事と、外観の維持のために洗濯物が外に干せないと言うデメリットがあります。
服などの洗濯物は洗剤の工夫や浴室乾燥でどうにか対処できますが、カーペットやマットレスなど大きなものの洗濯になるとそれを運び出すのも一苦労です。
本来は日光で乾かしたいところですが、こういった大型の洗濯物の干し方は事前に考えてみてみるべきでしょう。

ベランダが無い物件もある

風はタワーマンションの高層階に行けばそれだけ強くなり、ベランダなどに物を置く事が危険を伴います。

そのためベランダを置いていないタワーマンションも多く存在し、外での楽しみを行う事が出来ないデメリットがあります。

修繕積立金や管理費が高

マンションでは管理費や修繕積立金といった維持していくための費用が毎月かかります。
タワーマンションの場合、一般的なマンションよりもこれらの金額が高いのが特徴です。
またマンション全般に言えることですが、これら費用は分譲当初から築年数が増えていくにしたがって、緩やかに上げていく計画を立てています。
さらにサービス面で充実していればいるほど管理費は高くなります。
管理面でしっかりと行っていて、全棟で負担する原則から管理費はタワーマンションでは高いと覚悟しておきましょう。
特にコンシェルズサービスや共有施設が充実しているなどの面があると、管理費も自動的に高くなります。

入居当初は気にならなくても子どもの教

育費がかかる時期や、共働きを辞めて年収が減るなど、家計の状況に変化があると想定したよりも維持費が負担に感じる場合があります。

修繕積立金が足りていない

多くのタワーマンションでこれから先に問題となるのが修繕費の不足です。
特にタワーマンションでは大規模修繕には多額の費用がかかります。
それなのに売るためを重視して修繕積立金が低く設定され過ぎている傾向です。
これは大規模修繕を行った時に請求が別で来る可能性もあります。
中にはしっかりとしているタワーマンションもありますが、投機的な目的からの購入者が多いタワーマンションはこういった費用が不足しがちです。
今後社会問題化する危険性を指摘する専門家もいます。

タワーマンションの税額の変更

タワーマンションの税額は変更になり、低層階と高層階で固定資産税の税率が一律ではなくなりました。
これは主にタワーマンション節税への対策として、ある一定の補正率をかけたものです。

低層階は固定資産税が割安に

低層階では30階建てのタワーマンションの場合、固定資産税が1階は3.6%の減少、10階は1.4%の減少です。中間層である15階を0として計算しています。
これはタワーマンションが高くなればなるほど補正率が大きくなり、例えば50階建てのタワーマンションの場合には、1階は5.9%の減少、10階は3.7%の減少になります。

高層階は固定資産税が割高に

高層階では固定資産税が割高になる傾向で30階建てのタワーマンションの場合、最上階の30階では固定資産税は3.6%の増加、20階は1.0%の増加です。
50階建てのタワーマンションの場合、最上階50階は5.9%増え、40階は3.5%ほど増えます。

評価額に変化はないので資産価値は変わらない

あくまでもこれは固定資産税の評価額に補正がかかるだけで、資産価値そのものは変わりません。
このような点を踏まえ、タワーマンションは高層階の方が資産価値が高く、税金がやや安めで資産価値としては高いと言うメリットは依然として継続したままです。
取り引きや売買金額に税率をかければこのような問題は起こらないのですが、固定資産税の性質上仕方ないと言えば仕方ないのかもしれません。
したがって住む人にとっては高層階の方がメリットが大きいのは依然としてあります。
若干税制上での不公平さを是正した決まりです。

タワーマンションを引っ越すタイミング

タワーマンションは供給過剰と言う指摘もされており、売り時を見定めないと資産価値が減る可能性もある事を理解しておきましょう。
ここでは売り時のタイミングについて解説していきます。

大規模修繕の前に引っ越す

タワーマンションは比較的修繕費の積み立てが甘い所が多いです。
したがって大規模修繕の時に修繕費が跳ね上がる危険性をはらんでおり、このような修繕の前に引っ越して売りに出してしまう事が良いでしょう。
しかし同じ事を同じタワーマンションで考えている人も多く、それより先のタイミングで売りに出した方が高値を付けてくれる可能性が高くなります。
どのくらいで大規模修繕を行うかはタワーマンションごとに異なりますので、不動産業者に相談してみる事をおすすめします。

高値で売れるうちに引っ越す

現在のタワーマンションの価格は比較的高値をつけており、新築も中古も人気が高いです。
もしも大きな地震などが起こってしまうと、タワーマンションの人気に陰りが見えて一気に価格が下落する危険性があります。
高値で売れるうちに売りさばいてしまう事も考えておかないといけません。

新築のマンションの高騰が続くうちに引っ越す

新築のタワーマンションの価格が高い傾向が続いている為、中古のタワーマンションの価格もそれに追随している傾向です。
しかし新築のタワーマンションの価格が落ち着くと、中古のタワーマンションは先に値が下がる可能性が高いです。

いろいろな不動産業者と話をして立地なども踏まえて適正な価格、これからのエリアの人気を踏まえた展望などを複合的に考えてみる事が重要です。
したがっていろいろな不動産業者を一括査定サイトなどを利用して出会い、話をして売り時を見定めると良いでしょう。
タワーマンションの良さを一度知ってしまうと次もタワーマンションでという考えをする人も多いです。
中古市場の方が先に動く可能性が高いので専門家に意見を聞いて、適切な売り時と買い時を見定めて引っ越す事を考えてみましょう。

まとめ

タワーマンションは立地や交通の便などによってこれからも人気が続く傾向です。
メリットも数多くあり魅力的ですが、デメリットも多く抱えており、それによって人気に陰りが出る事も踏まえておきましょう。
住み続けるなら特に気にする必要はありませんが、住み替えを考えたりするのなら売り時を逃すと、大きな金額の差になって現れてきます。
修繕費の問題は初期のタワーマンションを中心に社会問題化しそうです。
投機目的でタワーマンションを買った人と、永住する事を求めてタワーマンションを買った人に大きな認識の差が生まれているからです。
住み替えを考えていろいろな不動産業者に話を聞いて、タワーマンションの引っ越しも考えてみるといろいろなデメリットから逃れる方法があるかも知れません。

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